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中学受験小説版受験の神様 家庭教師ジョーカーの「中学受験物語」 

実際の家庭教師が書いた笑って泣けて心温まる中学受験の物語!受験でぎくしゃくしがちな親子の絆を深めながら、中学受験の実態や効果的な勉強法もご理解頂けます。親子でどうぞ!リンクフリー

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中学受験物語 1-2 授業はわかるのに点が取れない2

物語 ] 2007/07/10(火)

「小説 受験の神様 家庭教師が書いた謎の家庭教師と中学受験母と子の物語」

 


 




 靖世が小学校六年生に進級し、ひと月以上がたった。五月も下旬にはいり、春のあたたかな昼下がりの日差しがリビングのテーブルにやさしくさしこんでいた。
本来はうとうと居眠りでもしたくなるこんないい天気の日に、かおるの心のなかは厚い暗雲がたちこめていた。

 「どうしよう」
 かおるは、靖世の私立中学受験のことで頭をかかえていた。
靖世は中学受験のための進学教室に通っていた。朝は地元の公立小学校に通い、放課後週に三日、家から徒歩二十分の塾に通うのである。

 私立中学受験というと「公立だってあるのに、なにもわざわざ小学生に血がにじむような茨の道を歩ませなくても……」という意見もあろうが、靖世の地区では中学受験は別段珍しいことではなかった。
私立中学に行くかどうかはおいといて、「一応受けてみる」というものまで含めれば、小学校のクラスの半数以上が受験をする。
この地区の公立中学校は、イジメや風紀の乱れ、教師の質の低下などの問題が噴出し、評判はかんばしくなかった。
そのうえ、公立中学の教育内容は親の世代から見ればぐっと減らされてきてしまっている。

 「できれば自分の子供は公立には入れたくない」
 この地区に住む親ならば誰(だれ)しも感じることであった。
中学受験に親のエゴやミエを張る道具という印象をもつ人は多い。
しかしその大半は、魅力のない公立中学から子供を守るために親が取れる唯一の自衛手段である。この地区でも例外ではなかった。

 「算数の偏差値、あと十あればなあ」
 かおるは靖世のことを思うたび、こんなことをあてもなく考えるようになった。靖世の苦手な算数、あと偏差値十あればずいぶん学校を選ぶことができるようになる。
それよりも、むずかしい苦手教科を克服することにより、靖世のすべてのことについて自信につながるのではないかと、かおるは感じていた。

 かおるの中学受験に対する考えは、よくいる親と少しちがっていた。
「なにが何でも私立」とまでは考えていなかった。この地区の公立中学校はたしかに問題はあったが、私立でも魅力をあまり感じられない学校にしか受からなかったら、あえて靖世を私立に行かさず、公立中学から高校受験をさせようと思っていた。

 私立だから風紀がいいとはかぎらない。
イジメがないとはかぎらない。いやおそらくイジメはどこにでもあるだろう。
ましてや、チビで、気が弱く、泣き虫このうえない靖世なら、いじめっ子から見れば格好の標的になるはずだ。だが大事なことは、イジメも寄り付かないような男としてのたくましさが靖世にあるかどうかである。

 かおるは、靖世に中学受験という試練を与えることによって、「精神的な強さを鍛えられたら」と思っていた。
もちろん夫の行った私立男子校最難関、桂成中学にいけたら理想的だ。でもいまの靖世では望むべくもない。

「こんなはずではなかった」
靖世を塾に通わせはじめた二年前、靖世の成績はわりと優秀で、いまの情けない状態は想像もしなかった。
そのときのかおるには、中学受験に両刀の刃があることにまだ気がついていなかった。

 中学受験は、小学高学年のまだなにも色づけされていない真っ白な状態の子供たちが体験する。この時期はいうまでもなく人格にそして人生に大きな影響を与える時期である。
首尾よく志望校に受かれば、それは大きな自信につながるだろう。「がんばれば夢はかなうんだ」という、積極的で前向きな態度で今後の人生を歩むことになろう。

 また勉強の内容も高度だ。高校受験はもとより、大学受験にもまったく引けを取らないほどの頭を使わせる問題がひんぱんに出題される。知識レベルも社会に出てからにも役に立つ有用なものが多い。
人生で最も吸収力のあるこの時期におぼえた知識は、なかなか忘れるものではない。
だから、中学受験を経験することは、高校・大学受験を有利に展開するだけでなく、その後の人生の知的好奇心を満たすのに力強い味方になってくれるはずだ。

 しかし、中学入試というのは、ほとんどの子供にとって初めての受験体験である。小学六年生という微妙で多感な時期にはっきりとしたかたちで勝負がつく。
 それだけに、もしこの人生最初の受験機会につまづいた場合、将来にわたる影響は想像以上のものがあろう。二度とチャレンジする勇気を出せなくなるかもしれない。
あたかも、一度おぼれかけたおさなごがそのあともう二度と入水したがらず泣いて拒否するのと同じように、いつまでも次の一歩を踏み出すことができなくなってしまったらもともこもないのである。

 また、不得意教科を克服できず、自分には向かないと自分で決めてしまい、自ら自分の能力や将来の可能性にふたをしてしまうような危険だってある。

 だから、どんな受験でも首をつっこんだ以上勝たねばならないが、ことさら中学受験に関しては負けるわけにはいかない。

 このようなことが薄々わかってきてから、かおるの不安は日に日にふくらみ、いずれ現実化しそうで気が気ではなかった。 
 かけがえのない靖世をつぶしてはならない。だからといって、いまここで受験をやめ逃避することが靖世にとって好結果につながるだろうか。
こんなことをしていたら、靖世は困難に直面するたび、すぐ逃げだす口実ばかり探すような人間になってしまうだろう。

 そうだ。そうなのだ!勝つしかない!
……しかし、そうは思ってみても、今のままでは討ち死にを待つばかりだ。


 かおるは、靖世の見ていないところでいつもうまくいかない息子のことで悩んでいた。しかし当の靖世のほうはどうかというと、「知らぬが仏」と言えるほど脳天気だ。

 近い将来そのようなわなが自分に向けられているとは、またいつも口うるさい母親がこの自分のことでそれほどまで悩んでいるとは、夢の中にだって出てこない。
彼はたびたびかおるに反抗し、またテストではあいかわらず進歩のきざしも感じられないひどい点を、涼しい顔をしてとってくるのである。

 


 



 御手洗家(みたらいけ)には、先日受けた模擬テストの結果が郵送されてきた。
月一回同じ系列の塾で、いっせいにとりおこなわれた試験の結果が一週間ほどして送られてきたのである。
その成績を、かおるはある程度覚悟していた。

 ここのところ、靖世のテストの成績は一進一退を繰り返しながらも全体としては下降の一途。
けれどもこれほどひどい結果がこの封書(ふうしょ)に入っていようとは、かおるも予想外であった。主要四教科の偏差値は四十三、うち特に算数はひどくその偏差値は三十八だった。目の前が暗くなった。

 かおるは靖世を塾に入れてから今日までのことを思い返した。
 中学受験の塾へ通わせるようになって、約二年がたつ。さきほども述べたように、はじめはまあまあの成績だった。
決して十分な成績とは言えなかったが、夫が卒業した私立男子校最難関「桂成中学」にかろうじて射程圏に入っていた。親の欲目かもしれないが、このままがんばれば夫のでた桂成中学に合格できるかもしれない。
夫もかおるも、一粒種の息子に期待した。

 新聞社に勤める夫実(みのる)は、一昨年末から、会社の海外人事によりフランス支社におもむいていた。したがってかおるたちは今日本において母一人子一人の母子家庭として暮らしているのである。

 夫のいないあいだ子供をあずかっているかおるは、責任を感じていた。 

 「私のやり方が悪かったのかしら」

 半年ほどまえから靖世の勉強への意欲は明らかに落ちている。最近家にいるときもなにかふぬけた感じで、机に向かうのもなかなか尻が重そうだ。
それは、テストの成績と連動し、成績が落ちてはさらに意欲がさがるという悪循環におちいっているようだった。

 「息子の落ちていく姿は見たくない」
 かおるは靖世にテストが返ってきてはその成績のことで注意し、気をぬいた勉強態度を見つけては口やかましくしかった。あまり細かいことまで言いたくなかったが、足もとに火がついている現実を前にこうするよりほかなかった。靖世の成績が上がることをひたすら願った。

 靖世がなかなか解けないでいる姿を見ると、横からその問題をのぞきこみ、なんとか自分が教えられないかとさぐってみた。
 しかし、昔はけっこう簡単に見えた靖世の勉強も、最近では入試一年を切って塾も本腰を入れだしたのか急にレベルが上がり、かおるの手に余る問題がずいぶんしめるようになっていた。
苦しむ我が子に、文句しかいうことのできない歯がゆさを感じていた。


 

 


 

授業はわかるのに点が取れない3 中学受験物語につづく


中学受験 塾家庭教師も知らない速効偏差値10UP勉強法

 

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受験のキリフダ

Author:受験のキリフダ
できない中学受験生を逆転支援する塾&家庭教師をやってま~す。
 
 希望を失っている中学受験生とその親の笑顔のために、日夜奮闘しています。試行錯誤・研究と反省の結果、偏差値10上げるくらいなら、コンスタントに出るようになってます。フフフ、受験はアイデアよ!
  
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 現在中学受験逆転支援塾「アップスタート」を主宰し、指導及び教材開発などをしております(http://www.kirifuda.jp)。


 私は、小学生以下の年齢の教育の重要性を強く認識しております。
 そして心身ともに優良でかつIQ200以上の天才児というのは、育てられると確信しております。

 私は現在の日本の教育改革の方向性を明らかにするためにも、
「天才児を育むプリスクール(乳幼児のための教室)をつくりたい」という夢を持っています。
 
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