:受験:神様 :ドラマ :中学受験

中学受験小説版受験の神様 家庭教師ジョーカーの「中学受験物語」 

実際の家庭教師が書いた笑って泣けて心温まる中学受験の物語!受験でぎくしゃくしがちな親子の絆を深めながら、中学受験の実態や効果的な勉強法もご理解頂けます。親子でどうぞ!リンクフリー

スポンサーサイト

スポンサー広告 ] --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | トラックバック(*) | コメント(*) | 先頭 | TOP


中学受験物語 2-3 塾との相談

物語 ] 2007/07/14(土)

 事務室にもどってくると先生はタオルで額の汗をふいた。「おお、無事に帰ってくれた」と、ほっと安堵の表情を見せた。

「何とかなってよかったですね。電話がきたときはどうなるかと思いましたよ。さすが塾長、最後のまとめ方なんて天下一品ですね」
同僚の若い先生が片目を閉じてニッと笑った。先生はつぶやきかえした。

「一時(いちじ)は『塾をやめる』とか言い出さないか、ひやひやしたよ。塾は夢を売る商売だからね。子というよりは親にだけど」

 愚痴を聞いて、難しそうな顔して、努力の少ないことを指摘して、なだめる。そして可能性を示して、夢を膨らまして、期待させる。この塾では、これが親の相談に対する黄金律だ。たいていの親はこれで気をよくして帰っていく。

 一年のうち塾をやめようかどうしようか、親が真剣に悩むのはどうせ一回や二回だ。そのときうまくタイミングをはずしてやれば、まず最後までやめることはない。下位クラスの生徒はやめなきゃいいのだ。

 その手綱さばきは、相談役の教室長の手腕にかかっている。




 一方かおるは教室長が舌を出しているとはつゆ知らずいそいそと家路に向かった。ところが塾の建物が見えなくなると、足を止め、ふうっとため息をついた。

 彼女は別に安心して帰ったわけではなかった。塾の先生の手前そういう顔をつくって花を持たせただけなのであった。客の思いやりだ。

 むしろ、かおるの不安はいっそう深まった。頼りにしていた塾がこの事態を解決するのにまるで役に立たない。非を鳴らすだけで、具体的な方策は何も知らないのだ。

 結局塾が言ったのは「一にも二にも、努力、努力、努力」「もっと油をしぼれ」ばかりである。そりゃあそうだろう。ぬるま湯につかりきってたるんでしまった気持ちにあらためてえりを正し、ねじを巻きなおさなくてはならないことはあきらかだ。

 だが、ほかにはなにか言うことは無いのだろうか。

 「家で」「家庭で」という責任逃れ的な言葉ばかりが気になった。「量が足りない」「もっとやる気を出せ」なんて誰でもいえる。

 先生のこたえは、自分の聞きたい内容とはまったく次元がかけ離れていた。本当は自分では気がつかない素晴らしいプロのアイデアというものに期待していたのだが、返ってきた答えは言われなくてもわかっていることばかりである。先生の話はかおるにとって、まるでのれんに腕押しだった。

 少しでも先生の経験からいろいろ引き出そうと自分なりに質問を工夫したつもりだったが、壮絶ないたちごっこが繰り返されるばかりだった。

 ノラリクラリかわして煙(けむ)に巻こうとしている彼の様子を見ていると、これ以上話をしても打開策が出てこないのは火を見るより明らかだ。永久に平行線をたどるだけであろう。尻が長い客だと思われるのが関の山だ。

〈これ以上は時間の無駄〉
ぜんぜんいい足りない気分だったが、かおるは言葉をのみ込み、そでを分かつ気分で帰ることにしたのだ。

 だが、先生がかおるにいった「しっかり」とか「ちゃんと」といった言葉は、普段かおるが靖世に対して無意識のうちにつかっていた言葉でもあった。

 かおるが先生に対して感じたものと同じことを、きっと靖世もかおるに感じているに違いないのだろうが、なかなか自分のことは気がつかないものである。このときのかおるは、まさにそうであった。

 「塾も営利企業だよなあ」かおるは思わずつぶやいた。

【受験に無知な親子はいつの時代も無能な教師のえじきだ。

 殊に中学受験に置いては、無責任な塾ほど「我々にすべて任せろ。親はなにもするな」と主張し、子供の勉強と親に距離をおかせる。そのくせ成績が悪いと、本人の勉強不足の一点張り。それでいて入試が近くなるとスベリ止めにしてもあまりに低すぎる学校をいくつも受けさせ、最悪の場合それにひっかかった合格をもって自分たちの成果を強調する。

 「もしうちの塾にこなければ、お子さんはここも受からなかったでしょう。うちにきたから受かったのです。どうですか、素晴らしいでしょう」などという都合のいい台詞をはきながら】


「機が熟しました。いまこそ、スタートを切るときです。いまやらずしていつやるのですか。我々は受験の専門家です。勉強については、我々プロに任せてください。お母様は勉強のことは何もしなくて結構です。まかぬ種は生えません。がんばりましょう」

 入会したとき胸をたたいて見せた教室長先生の勇姿を思い出して、かおるは思わずプッとふきだしてしまった。


続く。http://www.kirifuda.jp/
スポンサーサイト
20:30 | トラックバック:0 | コメント:1 | 先頭 | TOP



トラックバックURLは http://jukennokirifuda.blog112.fc2.com/tb.php/12-200e1369

トラックバック


コメント

承認待ちコメント by :
このコメントは管理者の承認待ちです
2013/01/22(火) 16:29:32 #[ 編集]

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

| このページの先頭へ。物語が表示されない場合はタイトルをクリックして下さい |

日めくりカレンダー 水玉

プロフィール

受験のキリフダ

Author:受験のキリフダ
できない中学受験生を逆転支援する塾&家庭教師をやってま~す。
 
 希望を失っている中学受験生とその親の笑顔のために、日夜奮闘しています。試行錯誤・研究と反省の結果、偏差値10上げるくらいなら、コンスタントに出るようになってます。フフフ、受験はアイデアよ!
  
 興味あったら、こちらも見てやって下さい。
効果的な勉強法も学習のヒントもありますよ。
 
私のホームページはこちら(インターネットエクスプローラーで見て下さい)

 現在中学受験逆転支援塾「アップスタート」を主宰し、指導及び教材開発などをしております(http://www.kirifuda.jp)。


 私は、小学生以下の年齢の教育の重要性を強く認識しております。
 そして心身ともに優良でかつIQ200以上の天才児というのは、育てられると確信しております。

 私は現在の日本の教育改革の方向性を明らかにするためにも、
「天才児を育むプリスクール(乳幼児のための教室)をつくりたい」という夢を持っています。
 
人材面、人脈面 資金面、その他まだまだ色々な面で足りないのですが、
ご協力いただける方は、お申し出いただけますと幸いです。

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。